

西式西洋手技とは、生体力学的な運動連鎖や筋骨格系のバランス、重力下での姿勢制御の仕組みを念頭に構築されています。また乳幼児から高齢者に至るまでの発達学的視点を取り入れ、「人がどのように動きを学び、成長し、老いていくか」という流れを踏まえながら身体の本質的な問題にアプローチします。特に重力という常にかかり続ける外力の影響を正確に捉え、姿勢・動作に対する負担の軽減・最適化を図ることで身体に無理のない自然な動きへと導くのが特徴です。単なる“もみほぐし”ではなく構造と機能を再統合することで「根本から整える」ことを目指したアプローチです。
現代社会において「猫背」になっている人を多く見かけます。
猫背と指摘されても「そうなんだ、、、。」程度で放っておかれがちですが、猫背になることで起きる姿勢や運動連鎖の影響は、実は全身に波及する“連鎖反応”みたいなものでかなり深刻です。
簡単にですが、以下のように整理できます。

1. 頭部の前方突出(フォワードヘッド)
猫背になると視線を保つために頭が前方へ。
頚部後面の筋緊張が亢進し頭痛や肩・首こりの原因になる。
2. 胸郭の下制・呼吸制限
胸椎が後弯し肋骨が前下方に引かれ胸郭がつぶれる形に。
横隔膜がうまく機能せず、浅くて速い呼吸(胸式優位)に。自律神経の乱れにも繋がる。
3. 肩関節の可動域制限
肩甲骨が外転・前傾し肩関節の位置が前にスライド。
腕が上がりづらくなり四十肩・五十肩のリスク上昇に繋がる。
4. 骨盤後傾・股関節の可動性低下
胸椎の丸まりに連動して骨盤も後傾。
ハムストリングスが短縮し歩行や立ち上がり動作が非効率になる。
5. 膝・足部への過剰なストレス
骨盤が後傾すると重心が後ろへ移動。
バランスを取るために膝を伸展・足関節を背屈して補正。ひざ痛や足底のトラブル(偏平足・外反母趾)にも繋がる。

人の身体は、本来重力に逆らいながらも効率的に動けるように設計されています。しかし、姿勢の歪みによって体の各部位が本来の重心線からズレると、全身に分散されるはずの負荷が一部に集中します。さらに、その影響は運動連鎖を通じて全身に広がり、結果として疲労や痛み、パフォーマンスの低下を引き起こします。
この運動連鎖は、どの部位からでも始まり、生活習慣・運動歴・癖・既往歴・現病歴などによって個々に異なる形で全身へ波及します。身体は次第にねじれ、硬さを増し、筋肉の伸張性や粘弾性が低下。使いすぎる部位と使えない部位が偏在し、可動域の制限や主動作筋と拮抗筋のアンバランスなど、さらなる機能不全を招いてしまいます。
西式西洋手技では、こうした負の連鎖を断ち切る為に、全身をひとつのユニットとして整えることを基本としています。その施術の流れを体系化し、理学療法士としての経験と知見をもとに新たな施術法へと昇華させました。




お客様の主訴で多い、「頭痛」、「首・肩こり」、「腰痛」、「膝痛」など様々な部位へのアプローチが可能です。
前述の通り、頭頸部・体幹・上下肢をひとつのユニットとして捉え、主訴に応じた評価・施術を行います。ただ痛みのある部位にとらわれるのではなく、その根本的な原因がどこにあるのか、運動連鎖の影響がどこまで及んでいるのかを見極めたうえで、状況に応じて施術の時間配分や重点を調整しています。